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芸術空間の核

 やや車両が大型化したとはいえ、相変わらずラッシュが厳しい京王井の頭線に乗って永福町駅を目指す。急行が止まるのでなかなか便利だ。渋谷から10分程度で着いてしまう。
 改札を抜けて商店街を南へ3分ほど歩くと、芸術空間の核、「ART SPACE CORE」へ辿りつける。間口は普通のミニギャラリーだが、奥行きがあり、かなり広い。中央にテーブルと椅子が並べてあり、くつろげるようになっている。
 私が取材に訪れた時も、学生が写真論をたたかわせていた。ギャラリーの代表の方も交えてである。このような光景は、このギャラリーでは日常的に見られるそうで、作家同志の交流の場、COREとしての機能を果たしているそうだ。
 お話しは、企画室の木家下(こかげ)さんにうかがいました。
「ここは、写真とか、絵画とか、区別はしていません。どちらもアートには変わりありませんから、区別をするのおかしいと思うんです」
 取材当日は写真展が開催されていたが、常設展示室には、様々なアートが壁を埋めていた。
 この常設展示室というのも特徴的で、狭いスペースに、これでもかっ! というくらい作品が詰め込んである。見せるというよりも、作家同士が交流の場であるという位置づけが強いそうだ。しかし、その分密度が濃く、訪れた者を楽しませてくれる。
「ここは常連が多いのが特徴です。基本的には貸ギャラリーなのですが、定期的にこちらで企画したグループ展も開いています。希望者が多くなりすぎて、展示方法で悩んでいます」
 とにかく、ここは作家同士の交流が盛んだ。一度ハマってしまうと、抜けられない魅力があるようだ。木家下さん自信も、大学をドロップアウトしてここに居着いてしまったそうだ。
 ここで個展を開くのは学生等、若い作家が多い。
「貸ギャラリーですから、学生にとっては苦しい金額かも知れませんが、お金をいただく以上、私達は精一杯のことをしますし、お金を払うのですから、作家も強気になれるでしょう」
 確かに、それはある。
「今後は、写真集なども考えています。うちは、アンダーグラウンドでいいから、実のあることをやっていこう、と考えています」
 こういったギャラリーが若い作家を支えていくのだと思います。(AK)

歓談できるスペースが用意されています

企画室の木家下さん
常設展示室。濃いです

アート・スペース・コア
東京都杉並区永福1-38-11
TEL&FAX.03-3325-6092 12:00-21:00

撮影にはFUJIFILM DS-7を使用しました