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●超広角レンズ
 焦点距離の短いレンズ、つまり広い範囲が写るレンズを広角レンズという。ふつうは焦点距離が35ミリより短いレンズが広角だけど、その中で焦点距離が20ミリまたはそれ以下のレンズを超広角レンズと呼ぶんだ。レンズで写る範囲を角度で表して「画角」っていうけど、20ミリの画角は94度、18ミリだと100度にもなるわけ。人間が漠然とものを見ている場合はこれぐらいの超広角になってる、と言われてる。ところで、超広角レンズの性質はただ広く写るだけじゃない。遠近感が誇張され、遠くのものほど小さく、近くのものはそれなりに大きく写る。だから、肉眼では得られない視覚が得られるわけだね。また、この遠近感の強調によって、「遠近感歪み」も出てくるんだ。たとえば、画面端の人物が太って写ったり、あるいは下から見上げたビルが上すぼまりになったり、見おろした子どもの頭が非常に大きく写ってしまう。だから、超広角レンズを生かすためには、単に広い風景を写すだけじゃなくて、遠近感を利用したほうがいい。具体的には被写体にできるだけ近づいて写したり、あるいは画面端に被写体を入れることがコツ。


写真1 超広角の14ミリレンズ(画角で114度)で被写体に思いきり近づいて撮影。これでも背景が広く入るんだ。


写真2 超広角の20ミリレンズで風景を実際よりも広く表現してみた。画面左端に人物を入れて、遠近感歪みを利用。



●バルブ撮影
 バブルじゃなくてバルブなんだけど、英語で書くとbulb。シャッターを開きっ放しにして撮影する方法で、シャッターダイアルをB(バルブの頭文字)にセットすればいい。バルブがいちばん多く使われるのは天体撮影で、何分とか、場合によっては何時間もシャッターを開けっ放しにして撮影する。身近な被写体としては、花火や夜景があるね。花火の場合には、ISO100のフィルムで絞りF8で、8〜15秒ぐらいシャッターを開けっ放しにする(花火の明るさにもよるけど)。夜景の場合、とくに自動車のヘッドライトを流して撮りたい場合にも、15〜30秒ぐらいのバルブ撮影が適当だ。なお、バルブ撮影の場合、シャッターが開いている間でも電気が流れてしまう電子シャッターのカメラより、電池不要の機械シャッターカメラのほうが有利だ。電子シャッターの場合には、万一を考えて予備の電池を持って行くように心がけよう。


写真3 バルブ撮影は花火の撮影にいちばん適してる。この場合、ISO100のフィルムを使って、絞りF8で、8秒の露出をした。


写真4 夜景撮影で、とくに自動車のヘッドライトの光跡を描写したい場合にも、バルブ撮影がいい。この場合には、絞りF8で30秒のバルブ撮影をした。