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Special

KORIDA Emiko

花笑み

 私が「花」を撮ることには大きくわけて2つの目的がある。ひとつは、自然が作りだしたその造形のすばらしさ、中でも「花」はその美しさや不思議さを凝縮したような存在であるということ。もう一つは「花」を撮ることで自分がこれまで見てきたもの、例えば生まれてから、または生まれる以前から、またはこれから見たいと思っているものをよりミニマムな形で発見できるということだ。
 ここで撮られた「花」はカラーのもつ力も手伝って、私のひきだした花自体の美しさをこえて、見えすぎる程に「花」の存在感を再現している。これが本当に私が見たかったものなのか。もしそうでなければ、その差異を埋めていくことが、これからも私が写真を撮り続けていく理由になるのではないかと思っている。



2002年7月25日〜31日まで、銀座の「ギャラリー・アートグラフ」において行われた同名の写真展より抜粋 したものです。(編集部)