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4月13日 石岡駅東口−白河駅

 昨日は、石岡駅の線路をまたぐ陸橋の下で眠った。まぁ、ホテルに泊ってもよいのだが、これは一種のゲームであるし、雨も降っていないし、それほど冷え込みそうもなかったので、寝袋にくるまることにしたのだ。
 陸橋の階段下は、絶妙の野宿ポイントになっていて、これが東京あたりだと、浮浪者の溜り場になることは間違いない。
 はたして、そこにも先約があったらしく、乱れた毛布が置かれていた。
 場所は狭いながらもそれなりにあったので、毛布から2m離れて寝ることにして、シュラフその他を広げた。毛布の主が戻ってくることは考えにくかったし、戻ってきても問題ないと判断した。
 0時を少し過ぎた頃、近くで女の子の声がした。
 私はシュラフの中へ頭まで潜っていた。
「なにこれ? ひと?」
 そう言っているらしかった。
 私は顔を出した。暗くてよくは見えないが、まだ十代と見える男女がひと組み、毛布のところにかがんでいた。
「ここで寝ているんだけど、予約ずみみたいだったそっちは空けておいたよ」  私がそう言うと、 「俺も時々ここで寝るっすよ」
 面倒なことになったな、と思い、私はシュラフに潜った。
 ふたりはそこにヤリに来ていると思ったのだ。そんな声を間近に聞かされてはたまらないし、何らかのトラブルになる可能性もある。
 金を分散して収納するの忘れたなぁ、と嘆きつつ、シュラフの中で武器の準備だけしておいた。
 ところが予想にはんし、若いふたりは小声で少し会話した後、仲良く毛布にくるまってあっけなく寝てしまったのだ。暗いので、様子を盗み見てもこちらの様子は見えないだろう。
 考えてみれば、深夜の階段の下では、人が全くこないという保証はないし、近くに奇麗な公衆トイレもあるのだから、奇麗とは言えない毛布にくるまって致すこともないのだ。
 結局、床が硬くて何度も目を覚ましたものの、空が白んできた5時前に私は起き出した。ふたりは眠っている。
 で、階段に座りつつ、昨日買っておいた朝食を食べ、これを書いている。
 さっき、男の子の方がトイレへ行った。こちらを見ないようにしているので正確なことは判らないけど、10代であることに間違いはないだろう。
 単なる家出なふたりなのだろうか。
 何にせよ、オジサンには、ちょっとうらやましいふたりなのであった。
 現在6:05そろそろ、バスターミナルのある場所へ移動するとしますか。
 こんな一日が始まり、バスは行く。

 で、ぐーぐー寝ていたら7:40に水戸駅着。車内が女子高生であふれていて、ちとあせる。
 さて、アップロードしますか。

 勝田営業所のバス停で東海方面のバスを探すと、発車まで2時間以上あった。
 こりゃたまらん、と、営業所の事務所へ行ってルートを問うと、衝撃的事実が判明。東海から日立まで、バスがつながっていないのだ。これで海沿いを行くルートは絶たれた。
 営業所員に理由を話し、一緒に様々に検討した結果、水戸駅まで戻り、全く別のルートで福島県を目指すことにした。
 それらのバスはスクールバス運用が基本なため、普通の時刻には運行されていないことが予想される。いよいよ過酷になってきたなぁ。
 なんだか雨が降りそうな雲行きだし。

 現在、常陸太田市にある公園でたたずんでいる。桜吹雪にウグイスの声がする贅沢。
 まだ雨は降り出していないが、さっきコンビニで弁当と傘を買った。
 水戸駅を出たバスは11時すぎに太田駅前に着いた。ちっぽけな駅だ。待合にテレビすらない。
 駅に隣接していた観光案内所で情報を仕入れる。13時すぎのバスに乗れば福島県入りできることが判った。旅は終わらない。
 時間があるので、こうして市街を散策しているところだ。ただし、これといってみどころはない。郊外へ出れば色々あるようなのだが。
 ここへ来る途中で、昔ながらの木造の機具でソバを脱穀している商店をみつけ、写真を撮った。ソバが名物だったのなら、弁当なんて買うんじゃなかった。
 私は、地方へ行って食べたいものがないと、のり弁を買うことにしている。一見どこでも同じに見えるのだが、微妙に違って面白い。
 空は相変わらず雲が多い。風もある。時折みせる晴間のせいか、気温は低くなくて過ごしやすい。
 ここまで北上すると桜がまだ散っていなくて、ちょうどいい具合に花見ができる。
 常陸太田市には、小高い丘があり、どういうわけかその斜面に家がびっしり建っている。そこだけ見れば海岸沿いの集落(例えば函館など)のようだ。平地はいくらでもあるのに、ちょっと妙な風景。歩くとかなり過酷だ。
 ここではPHSが使えないが、ISDN公衆電話は結構みかける。
 あちこち歩きまわり、資料館へも行ってみたのだが、残念ながら展示替中。別館は見ることができた。建物自身も古い銀行だそうで、なかなか趣がある。
 結局、方々2km以上は歩きまわり、ようやくバスに乗る。バスのコースは押さえてあったので、駅へ戻ったわけではない。
 バスに揺られ揺られ(ついに自由昇降区間登場)、福島県は東館駅へ到着。駅で聞くと、福島交通のバスは駅には来ず、近くの国道を通とのこと。
 徒歩3分で矢祭町役場のバス停へ。なんと、次のバスまで2時間近くある。
 で、早速散策を開始。
 バス停から徒歩10分くらいのところにユーパル矢祭という温泉施設を発見。どういうところだったかというのは、ホームページがあるそうなので、そちらを見てください。
http://www.naf.co.jp/yuparu/
 ああゆったり。

 現在、磐城線棚倉駅。17:15アップロード。

 白河駅に18:30頃着いたのだが、今日はここでついえてしまった。
 郡山行きの最終は17:10で、次は翌朝7時となる。
 他をあたっても大差ないので、今日はこれにて終了。
 外は、雨にはなっていないのだが寒い。
 なんと、桜が咲いていないのだ。遂に桜前線を追いぬいてしまった。
 今日、外で寝たら凍えるだろうなぁ。安宿あるかなぁ。

今日の行程
石岡駅東口〜水戸駅〜勝田営業所〜水戸駅〜常陸太田駅・仲城町〜東館駅前・矢祭町役場〜棚倉駅〜白河駅

計 5,780円



常陸太田市街のすごい坂!