TopMenu / DO-YAH Menu

10月21日 屋久島-口永良部島

 6時起床、と思ったけど、どーんと曇っていたので7時まで寝る。
 寝ていた、今はほとんど使われていないような休息所テーブル下は、植えこみのおかげで道からはまったく見えないので好都合だ。
 今回、予定ではこの後、種子島へ渡ることになっていて、それには9:00発の上屋久町営船「第2太陽丸」に乗らなければならないのだが、大きな島は屋久島で十分、という気になってしまっているので、同じ船に13時に乗って口永良部島へ渡ることにする。
 で、それまでの時間何をするか。
 レンタカーを借りたのである。
 島内にレンタカー会社は沢山あるけれど、8時とか8時半にならないと営業を始めない。
 タクシー運ちゃん情報により、民宿「清流」も経営している屋久島レンタカーなら早くから貸してくれるのではないか、とのことで、行ってみると即OK。それでも出発出来たのは8時5分前くらいだけど。
 で、激走。
 安房から山へ入り、荒川分れを過ぎ(この辺りから雨)、ヤクスギランドを過ぎ、紀元杉で写真を撮り(昨日はヒッチハイク状態だったので通り過ぎてしまったのだ)、荒川林道を奥へ進む。
 と、東京からの5人組に出くわした。彼らは淀川小屋でもう一泊し、翌朝のバスで下山するとのことだった。もっと早く会うと思っていたのだが意外に奥で、ヤクスギランド10:40分発のバスに間に合うかどうか微妙な所。
 定員をオーバーしてしまうけど(カローラIIなので)、全員に乗ってもらって、尾之間温泉へ向かう。
 ひと風呂浴びてさっぱりし(下界は雨はなく曇空)、宮之浦へ戻り(楠川で二人降ろしたけど)レンタカーを返却(ちなみに、4時間6,000円)、乗せていたメンバーと別れ、私は本来のチャリダーへ。
 港の船待合へ行ってみると、ISDN公衆電話があったので早速アップデート。が、この時19日のデータを消してしまっていたことに気付き大ショック。
 結局船は鹿児島からの船待ちで10分遅れの13:10に出港することになり、私は自転車を船に積んだ後(車もエレベータで数台づつ積むのね)、船待合の食堂で、今回の旅初の外食(米があと一食分だし燃料も乏しいので)、うどんを食べたのでした。(カレーライスの大盛りを頼んだら、「ご飯が炊けるまで10分待って」と言われ、それじゃ船が出てしまうと言ってうどんに替えたら、「少しだけど」と、ご飯とタクアンを無料でくれた。ありがとう)
 船は13:05に出港。料金は2,050円プラス自転車320円。
 おお、揺れる揺れる。
 「としま」よりは大きそうなんだけど、横揺れ防止装置がないのか、結構横揺れもする。
 それでも、船は予定通り15時前に口永良部島に到着。38平方キロメートルに、168人が住んでいる。
 マヌケなことに、私はここに日立のコマーシャルでお馴染みの「この木なんの木」があると思っていたのだが、島に着いてガイドブックを改めて見たら、あれは沖永良部島だった。とほほ。
 さらにマヌケポイントを追加するならば、船のコンセントで充電していた充電器と充電池2本をそのまま船に忘れてきてしまったのだ。明日まであるとよいのだが。
 気を取り直して温泉へ向かう。
 島には3つの温泉があり、まずは、唯一混浴ではない、という湯向温泉へ。
 自転車を走らせると小雨が降り出し、やがて本降りに。慌てて雨具を着たら止み、その後、時々小雨がぱらつく天候。
 結局湯向温泉には16時半くらいになってようやく着いた。
 さっそくひと風呂浴びる。
 洗い場には水の出る蛇口しかなく、湯を浴槽から汲んで洗う。透明な湯だが、湯の花が沢山浮いていたのでシャンプーは控えた。湯温はぬる目。浴槽にいた人の話によると、島内にある寝待温泉の方が湯温は高いと言う。ただし、あちらの温度が上がればこちらが下がり、こちらの温度が上がればあちらが上がる、というものらしい。
 湯上がりに、港の近くの商店でもらったやきとりの缶詰(レジへ持って行ったら、賞味期限切れだからとくれたのだ)と、別の店で買ったビールを飲みながら、原稿を書く。ああ極楽。
 実は、温泉の建物内で寝れば、と言って下さった方がいて、それを狙っているのだが、結構ひっきりなしに人が来て、ちょっとあせっている。まぁ、駄目なら島内あちこちにある避難豪(コンクリート製で屋根に三方壁)で寝るまでだけど。
 頻繁に現れる人、掃除当番らしい子連れの若奥さんに聞いても、「いいんじゃないですか」だったのだが(スパゲティを作って食べていた時で、無茶苦茶あせった)、20:40頃きたオバチャンが、「許可取ったのか」ときて(最初寝ることを提案された時に区長へ断りに行った方がいいでしょうか、とも聞いたのだが、いいんじゃないの、ということになっていた)、「寝られるのは困る」とか、「以前ボヤ騒ぎが」とか(これは眉ツバもの。失火すればたちまち全焼しそうな建物だ)、とか、とか。
 区長は民宿やっている家らしいのだが、今更こんな夜更けに行きたくないし、場所もよく判らない。残念だけど撤退することにした。
 荷造りして出発する所でオバチャンが出て来て、「追い出したみたいで悪いねぇ」とは言い残して去って言った。そういえば、入浴中、トカラ列島の話をしていたら、「諏訪之瀬島にはヒッピーが沢山いて」ということを言われた。そういうことに神経質なのかも知れない。
 まぁ、温泉施設に泊ろうなどという、私が虫が良すぎたのだけれど。
 外は、雨はないものの、強風で真っ暗。ライトを消すと、何にも見えない。
 自転車のライトとヘッドランプを頼りに、寝待温泉を目指す。情報によれば、そちらにもコンクリートの囲いがあるという。
 で、一時間くらいかかって寝待温泉に到着。行程の大半が登りで、せっかく着替えていた乾いたTシャツは汗でぐっしょり。
 寝待温泉は、温泉だけがあるのかと思っていたのだが、小さな集落だった。人しか通れない急坂を400mも下った海際で、もちろん車も自転車もない。電気はあるけどね。
 温泉は、囲いはあるけど寝られそうになく、ひと風呂浴びた後で、近くの避難豪で寝ることにした。
 でも、寝付けたのは0時頃だったと思う。

上屋久町営船「第2太陽丸」