レチナハウスとは?
 ひとことで言えば、中古カメラ屋さん。ふたことで言えば、歴代レチナが全て、さらには様々な珍しいカメラが置いてあるお店。好きな人にはヨダレだぁだぁの、とても楽しいお店なのだ。ライカも沢山あるけど、それ以上に楽しいカメラがいっぱい!(チョートク先生のオリジナルプリントも売ってたりします)

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ショーケースより

 レチナハウスに並ぶ逸品/珍品の数々より、毎月数点を選び出し紹介致します。

レチナIIIC (MODEL 028) 1958-1960
 ドイツコダック社により、およそ68000台生産された。元は1954年に生産開始されたIIIcである。いわゆる日本では大窓と言われるタイプ。海外ではラージCと呼ばれている。大きな窓のレンジファインダーが特徴で、35ミリと50ミリ、80ミリ用、そしてステレオアダプターを付けた時のブライトフレームを内臓している。アクセサリーも完備しており、レチナのなかでの最高機種である。レンズはシュナイダー社のクセノンかローデンシュトック社のヘリゴンどちらかの50ミリが標準でついている。レンズ前群の交換をする事により、35ミリや80ミリにする事が可能。レチナ最後の蛇腹式折り畳みカメラ。
 なお、最後に残った部品を集めて1977年に再度120台ほどが生産されたが、これはコダック関係者に記念モデルとして配布されたので、ほとんど市場には現れない。最もバランスのとれた美しいレチナのひとつである。

レチナレフレックス(RETINA REFLEX) TYPE 034
発売1956年(昭和31年)生産終了1958年(昭和33年)
生産台数65,000台 標準レンズ シュナイダー クセノン50ミリ F2 または ローデンシュトック ヘリゴン 50ミリ F2
シャッター シンクロコンパー 1秒から500分の1秒まで

 同時期に販売されていたレチナIIIc(TYPE 021)小窓とそのアクセサリー、交換前群レンズなどがほとんど共有する事が可能なレンズシャッター1眼レフレックスカメラです。先月掲載したレチナIIIC(大窓)はまだ発売されていない時期でした。レチナIIIcやレチナCの交換前群レンズは、その操作の繁雑さから実際に使用するのには面倒だと言う方にはお薦めのカメラです。実像でピントをあわせる事が可能ですし、レンズシャッターのため、ミラーショックが少なくスローシャッターも手持ちで可能です。シュナイダーのレンズが付いたタイプはシュナイダーの交換前群レンズとの互換性がありますが、ローデンシュトックの交換前群レンズとは互換性が無いのはレチナIIIcやIIICと同様です。クローズアップレンズなども共用できるのが嬉しい特徴です。一般に流布されている故障しやすいとの風評がありますが、実際にはちゃんとした整備をされた物の耐久性能ははレチナIIICなどとはかわりません。

イロカ ラピッド B(リアリスト35)1954年(昭和29年)
 生産台数不明 固定レンズ50ミリ2・8シュタインハイル カッサー西ドイツイロカ社製の中級レンジファインダーカメラ。アメリカのリアリスト(ミルウオーキー、デビッドホワイト社)へOEMで出された物はリアリスト35とされて販売されました。
 巻き上げは左手でレバー巻き上げを行い、右手でレリーズをおこなうようになっています。しかし、フィルムパトローネは右側では無く左側に入るようになっており、メカニズム的にとても不思議な構造になっています。左から右へとボディ内部をシャフトが通って動力を伝えるようになっています。また、裏蓋の開閉機構が更に謎を秘めていて、この裏蓋の開けかたを発見するのも楽しみです。